解説
キュフナー家は18世紀にドイツのヴュルツブルクの宮廷作曲家として仕えた音楽家系です。ヨーゼフはロマン派前期の作曲家で、軍楽隊の音楽総監督を務めましたが、作品は器楽のあらゆるジャンルに及んでいます。フルート二重奏曲[2Fl.]は[Op.84, 85, 148, 166]がありますが、三重奏はこれが唯一の曲で、典型的な4楽章構成の大三重奏の様式で書かれた爽やかなセレナード風の作品です。第1楽章はソナタ形式で書かれ、第1主題の付点音符動機が掛け声の様に各パートに呼びかけ、応答し合います。第2主題は8分音符の刻みに心地良く旋律が歌い響きます。第2楽章 は充実した(複合)三部形式で書かれ、セレナード風のアリアが長閑に歌われ、中間部は優美で哀愁漂う装飾的な旋律が魅力です。第3楽章は複合三部形式の軽快なスケルツォとして書かれ、中間部トリオは長閑な牧歌です。第4楽章は典型的なポロネーズで、中間部に現れる技巧的な3連符と続くカンタービレ主題が印象的です。(解説/佐野悦郎)ニュース
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