解説
原曲はピアノのための「ソナチネ・アルバム 第1巻」に掲載されている「ソナチネ ト長調Op.20 No.2」です。この楽譜は、これをフルート合奏に適した短3度上の変ロ長調で、省略無しに編曲した、新鮮な響きの教育教材です。第1楽章はソナタ形式で書かれ、第1主題は分散和音の意気揚々とした主題で始まり、第2主題は優雅で爽やかなワルツです。第2楽章は複合三部形式で書かれ、主題は愛らしいロマンスで、悲しげに歌います。第3楽章は複合二部形式で書かれ、ロンド風の軽快な主題が繰り返され、それを流麗なメロディでリレーしていきます。ロマン派フルート・アンサンブルの宝庫として知られるクーラウは、三重奏曲を7曲[Op.13, 86, 90]書き残しましたが、四重奏曲は「大四重奏曲 Op.103」の1曲のみです。当時のフルート属の音域には限界がありましたが、現在の様に特殊楽器[AFl.BFl.等]が揃っていたとすれば、クーラウのフルート四重奏はこの作品の様な響きになったかもしれません。(解説/佐野悦郎)ニュース
関連サイト
注文ボタンのない商品につきましては、右上の「お問い合わせ」よりお願いします。