解説
フランソワ・ドヴィエンヌは、18世紀後半にパリで活躍したフルートとファゴットの名手です。コンセール・スピリテュエルで演奏し名声を博し、パリ音楽院の教授も務めた彼は当時、4キー、6キーの楽器が出回っていたにもかかわらず、バロック時代の1キーフルートを固守していました。このソナタは、通奏低音付きのソナタとして作曲されたので、出版された当時は、フルート・パートとバスのパートの2段で構成された譜面でした。(現在、その楽譜のファクシミリも出版されています)。 実際には、ピアノ伴奏の右手が加わらなくてはならないので、その仕上がりが演奏に大きく影響してくる訳です。ドヴィエンヌの作曲のスタイルは、よくモーツァルトと比較されます。たしかに音楽そのもののもつモーツァルトの天才性には及ばないものの、心を近づけてその音楽に親しんでみると、優雅さ、闊達さなど上等な味わいが隠されていることに気付くでしょう。そして、フルートの楽器をよく活かした作風は、この時代のレパートリーとして、もっと広く演奏されてもよいように思います。(解説/三上明子)ニュース
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