解説
Ch.ルフェーヴルは19世紀後半から20世紀初めに活躍した近代フランスの作曲家です。1895年からB.ゴダール(1849-1895)の後任として母校のパリ音楽院の室内楽科教授に迎えられ、教育と作曲に専念し、それ以降は弦楽器とピアノのための室内楽を書く機会が多くなりました。管楽器を伴う作品は僅かで、木管重奏組曲は2曲存在し、この「第1組曲 Op.57」(J.Hamelle, c.1884)は木管室内楽協会に献呈された唯一の木管四重奏曲です。3つの舞曲で構成され、第1楽章 CANON. Moderato 2/2 [g] は三部形式とソナタ形式を融合した様式で書かれています。4小節の前奏を経て、分散和音動機による哀愁の「カノン主題」と対旋律が次々と各楽器に模倣され、多彩な色合いを構築し、豊かな二重カノン風の響きに発展します。第2楽章 Allegretto scherzando 9/8 [Es] はホルンとファゴットのファンファーレ動機に押され、上声部 [Fl.Ob.Cl] の躍動するレガート主題が戯れます。TRIO. Lo stesso tempo 3/4 [g] はせせらぎのように悲し気にレガート旋律が流れ、ホルンは牧歌を奏でます。第3楽章 FINALE. Allegro leggiero 2/4 [B] はロンド・ソナタ風に書かれ、ロンド主題は分散和音動機が同形反復して躍動します。中間(展開)部は様々な分散和音主題が乱舞し展開されます。因みに、「第2組曲」は木管六重奏曲Op.122 [Fl.Ob.2Cl.Hn.Bn] です。 (解説/佐野悦郎)ニュース
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