解説
周知の通り、原曲はW.A.モーツアルトの名曲「ピアノ・ソナタ KV331(トルコ風)」で、その品位を損なうことなく、忠実にフルート四重奏曲用に編曲された作品です。最も知られたソナタですが、その楽章構成は当時の一般的なソナタの構造とは異なり、「ソナタ形式」の楽章が含まれていません。曲全体にフルートが主要旋律を受け持ち、それをヴァイオリンが助奏します。第1楽章は優美なシチリアーノ風主題と6つの特徴的な変奏曲から構成され、各変奏曲共に期待に沿える編曲となっています。第2楽章「メヌエット」は構築力のある三部形式で書かれ、優雅な響きに包まれます。中間部のトリオはアンサンブルが魅力です。第3楽章「Alla Turca」は一般に「トルコ行進曲」で親しまれている名曲で、フランス風ロンドと呼ばれる形式で書かれ、フルートとヴァイオリンが仲よく軽快に行進曲を奏で、力強く進みます。演奏会用として、オリジナル作品同様に価値ある作品に仕上がっています。この版はフルート・パートをヴァイオリンに置き換えれば「弦楽四重奏用」となります。(解説/佐野悦郎)ニュース
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