解説
『庭の笛達(2006)』は庭に集う笛吹達と庭園の植物等の様子からインスピレーションを得て書かれた楽しい4楽章構成の学習者合奏教材です。その響きはカステレード『笛吹の休日』を感じさせるものがあり、各楽章にはユニークな標題が添えられています。第1楽章“Madonna Lilies”は「聖母のユリ」ですが、「白百合」を指します。「受胎告知」の聖母の脇にこの花が描かれている事から、後にそう呼ばれるようになったそうです。清楚な近代和声の響きと7度音程の主題が特徴で、ユリが咲き誇り揺れる様を幻想的に描いています。第2楽章「蟻と芍薬」は、優美に流れる近代的な色彩を持った旋律線の綾が豪華に咲き誇る芍薬の花を表わし、蟻の行列は16分音符の小刻みなリズムで行進して、その対比が面白く描写されています。第3楽章「シダ」は葉が揺れ動く様子をオスティナート動機で表し、その上に爽やかで現代的な旋律線が大きく弧線を描きます。第4楽章「ある日、下にキノコの傘が…」はキノコの帽子が、突然足下から顔を出している様子を、軽快でコミカルなスケルツァンド、或いはワルツで表わしています。(解説/佐野悦郎)ニュース
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