解説
キャサリン・フーヴァーはアメリカの作曲家、フルーティスト、指揮者。フルートはジョゼフ・マリアーノとキンケイドに学びました。作曲に関しては、彼女自身が音楽理論を教え、また指揮を学ぶ間に、独学でスタイルを作り上げてきました。フーヴァーの若い頃は、アメリカでも女性作曲家が少なく、環境が整っていなかったため、本格的に作品を発表し始めたのは、1972年以降のことでした。独奏フルートのための「ココペリ」は、アメリカ先住民のホピ族の伝承に発想を得た作品。ホピ族にゆかりある地に近いニューメキシコ州のアルバカーキで1990年に作曲されました。「ココペリ」は、縦笛を吹く精霊で、その笛の音によって、深い峡谷の地で、人びとの移住を導いたと伝えられています。「臨時記号が段ごとに有効」という書法は珍しいので、読譜の段階で読み間違いしないよう気を付けてください。小節線はなく、精密にリズムは書き込まれていますが、最終的にはプレイヤーの感性に任されています。雨がめったに降らない峡谷に響く笛の音は、湿った風土と密接な尺八とは全く違ったものになるでしょう。(解説/三上明子)ニュース
関連サイト
注文ボタンのない商品につきましては、右上の「お問い合わせ」よりお願いします。