解説
この曲は、ヴィヴァルディが、アムステルダムの出版社ル・セーヌからの特別な注文で作曲した、音楽史上最初に出版されたフルート協奏曲集全6曲中の第2番に当たります。当時のイタリアでは、フルート (トラヴェルソ) はまだ水準が低かったのですが、西ヨーロッパや北ヨーロッパでは、洗練された貴族の楽器として人気があり、フルート愛好家が多くいたので、出版社は、そこに目を付けたのでしょう。全6部からなるこの協奏曲は、「夜」という象徴的な題名をつけられています。18世紀イタリアの夜の舞台は、現代の夜とは全く違った、人間の闇に対する恐怖感があったのでしょう。第1部で夜への導入に続き、第2部 [Presto] に "Fantasmi" (おばけたち) という標題があり、おばけの走り抜けるイメージが描かれています。第3部で束の間の安らぎの後、第4部には再びおばけ (?) の騒ぎがあり、第5部 "Il Sonno" (眠り) が訪れます。( 「四季」 の 「秋」 第2楽章と同じ音楽) 第6部 [Presto] は、清々しく幕を閉じます。原曲は弦楽オーケストラと通奏低音の伴奏が付けられています。(解説/三上明子)ニュース
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