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作曲家の解説を参考にすれば「雨の降る庭」を心象スケッチし、印象派の響きを醸し出し、情景描写した作品と捉えます。また印象主義的ピアノ技法を確立したドビュッシーのピアノ曲『版画』第3曲目「雨の庭」からもインスピレーションを得たものと推測します。三部形式の枠組み「前奏・2つの主題・後奏」で書かれています。協奏的な立体的音響を意識して、第3フルートを主役のセンターの座に置き、第1、第2、第4、第5フルートが左右に分かれて並びます。「前奏部」は両サイドの演奏者の前打音と複前打音で装飾されたベルトーン風持続音[D-F]が受け繋がれ、背景には臨場感に溢れた印象派の色彩を響かせる中、主役の第3フルートが5音階旋法[D-F-G-A-H]の旋律を奏でます。続くトリル持続音[F]から全員が旋法音階で絡み合い、次は持続音を挟み5度音程の波形動機が3回押し寄せます。「中間部」は2つの異なる雨だれの主題が躍動し、「前半」の主題は全音階下行断片のオスティナート・リズムの上に5音階旋律[陽旋法D-E-G-A-C]がサルタレロ舞曲のように乱舞します。「後半」は4度累積分散和音が軽妙に踊り、上下行する旋法音階が姿を変化させミニマル風に連鎖し、印象派的響きを醸し出しています。(解説/佐野悦郎)
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