解説
リール音楽院で教鞭を取り、管弦楽団“Concerts du Cercle du nord”のフルーティストを務めたジュール・エルマンが、ドニゼッティ(1797-1848)の歌劇「ランメルモールのルチア」の主題を用いて書き上げた、超技巧的接続変奏二重奏曲です。劇中の動機断片から始まり悲劇の予感を表す序奏部に続いて、第2部 第2幕 第2場の、ルチアを失い死ばかりを考えるエドガルドが歌うアリア「やがてこの世に別れを告げよう」が登場し、随所に技巧的カデンツァが織り込まれて「間奏」が展開されます。同場、エドガルドが愛するルチアの後を追い天国で結ばれる喜びを歌って息絶える場面のアリア「お前は昇天の翼を広げた」となり、次にフィナーレ男性合唱「そうです、可哀想な女は死んでしまいます」が現れます。最後に第1部 第2場、ルチアとエドガルドが歌う愛の二重唱「燃える吐息はそよ風にのって」に続き終曲は技巧的に展開され、コーダでは急速な無窮動楽句で華麗に幕を降ろします。エルマンはタファネルと親交があり、1865 & 66年に彼がこの管弦楽団を訪れた際に、『ヴェニスの謝肉祭による序奏と変奏曲 OP.23』を献呈しています。(解説/佐野悦郎)ニュース
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