解説
この南米の香り漂うフルート四重奏はピアソラ風であり、また旋律の響きはブラジルの近代作曲であるヴィラ=ロボス(1887-1959)を思い起こさせる作品です。楽譜冒頭に【Sultry(官能的、なまめかしい)】、また【slinky(セクシーな)】と作曲家が指示している通り、怪しげで魅惑的なタンゴです。ソロの第1フルートは旋律を奏で、第2、第3(またはアルト)、第4(バス)フルートは終始一貫してタンゴ・リズムを刻みますが、何れにせよ、バス・フルートが重要なタンゴのベースラインを担っています。三部形式で書かれた独立した小品で、弦楽器、管楽器の様々なヴァージョンが存在する中、サン・ディエゴのグループ“Flûtes de Salon”のために、この新刊フルート版が出版されました。ダニエル・ドルフはニューヨーク生まれの中堅の米国の作曲家で、そこを拠点に多彩な創作活動を繰り広げている音楽家。アメリカ、欧州の有数な交響楽団の団員が結成するアンサンブルのために数々の作品を書き上げています。 (解説/佐野悦郎)ニュース
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