解説
19世紀ヨーロッパの舞台で、天才ベームの活躍は目覚ましいものでした。まず、フルート製作では、円筒管による「ベーム式フルート」(1847年)発明者として忘れられない存在です。演奏家としても卓越した腕前で、ヨーロッパ各都市で長期にわたる演奏旅行を行いました。作曲家としては、自作自演のための曲が実に数多く残されています。それに加え、教育者としても、多くの演奏家を育てました。 「スコットランド民謡によるファンタジー」作品25は、1852年に出版されました。前年にロンドン産業博覧会でベームのフルートが金メダル獲得しているので、もしかしたら、ロンドンで演奏する機会があったかもしれません。原曲はオーケストラ伴奏。華々しい序奏の後に奏される3拍子の舞曲の変奏は、マルセル・モイーズの愛奏曲であったのでしょう。モイーズ著の「フルート・アンブシューア、イントネーション、ヴィブラートの練習」(シンフォニア刊)に、モイーズ校訂の楽譜が掲載されています。次の歌は、民謡「つりがね草」。このように、耳に親しい旋律を次々に「ポプリ」の手法で繰り出すやり方は、ひとつの主題から変奏を重ねていく「変奏曲」より変化に富んだ仕上がりになっています。ニュース
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