解説
J.B.フェルステルはチェコの作曲家、オルガニスト、著述家で国民楽派以降のチェコ音楽を近現代化に導いた作曲家の一人です。4楽章構成で後期ロマン派の伝統的書法で描かれています。彼は絵画的な才能にも恵まれ、色彩感豊かな、詩的表現力に富んだ作品に仕上がっています。第1楽章は自由なソナタ形式で書かれ、付点音符と3連符からなる主題が全体を支配、6連符の動機が12/8の主題と融合して流れを形成します。第2楽章は穏やかな夢路に誘われる響きにホルンが角笛を奏で、刻々と情景が変化していきます。第3楽章は自由な複合三部形式で、短3度のトレモロが持続音として背景に響き、フルート、オーボエ、ファゴット、ホルンが小鳥の囀りを、またホルンでは角笛の牧歌も歌われます。中間部はパストラールです。アンダンテ・コン・モートはトリオに相当し、クラリネットがパン(牧神)の笛を奏でます。第4楽章は前奏の不協和音から3連符と4度動機が応答し、民族風主題が対位法的に連なります。続いて悲しいスケルツォから半音階的に変奏されて、後に長閑な牧歌風旋律と交錯してクライマックスをむかえ、コーダで曲を閉じます。ニュース
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