解説
林 光氏が13歳〜14歳頃に書いた二重奏曲で、前古典派やウィーン古典派のソナタをモデルとした習作です。従姉でフルーティストの林りり子氏と、その師、吉田雅夫氏のデュオ・レッスンを念頭に作曲されました。第1番では、第1楽章がバロック(前古典)風の二部形式で、主題は対位法的に模倣されます。第2楽章は三部形式で、サラバンド風主題が優美に歌われ、中間部は2番フルートの明るいワルツ主題に変身します。第3楽章は舞曲風主題が軽快に踊ります。第2番について林氏は「終戦に間近い1945年3月に入院した折りに空襲の間をぬってベッドでこの曲のスケッチした・・・・・・子供の頃から親しみを感じていたモーツァルトの影響が濃い作品である」と述べています。その通り、第1楽章はソナタ形式で書かれ、その第1主題にはモーツァルトのフルート協奏曲 第2番 第3楽章冒頭音列[a-fis-g-e-d-e-fis,fis-g-a-h]が使われています。第2楽章は三部形式で書かれた優雅なアリアです。第3楽章は主題と特徴的な5曲の変奏曲から成ります。以上は現在の眼で観れば、擬古典主義の二重奏曲とも捉えられます。(解説/佐野悦郎)ニュース
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