解説
フランツ・ベンダは、18世紀にチェコからドイツに亡命した音楽一族の一人です。彼はプラハ、ウィーン、ワルシャワ、ドレスデンでヴァイオリン奏者、ヴィオラ奏者として活躍した後、1733年に、プロシャ皇太子 (のちのフリードリヒ大王) に認められました。1740年にフリードリヒの即位とともにポツダムに移り、1771年には宮廷楽団のコンサートマスターに任命され、終生その地位にありました。作品には、20曲近い交響曲とヴァイオリン協奏曲、100曲以上のヴァイオリン曲がありますが、今日では、演奏されることは余りあり ません。フルート協奏曲は、手稿譜のまま残された6曲 (この曲を含む) が、カールスルーエのバーデン州立図書館に保存されているのが知られています。フリードリヒ大王のサン・スーシ宮殿では、夜ごとに、宮廷楽団のC.P.E.バッハ、クヴァンツ、ベンダ、グラ ウン兄弟など優れた音楽家の作品が、大王自身の作品も含めて演奏されていましたが、この曲からも、そうした宮廷の活気を感じ取ることが出来ましょう。第1楽章に、当時の多感様式が見られます。第3楽章には、リトルネロ形式が使われていますが、若い頃に接したヴィヴァルディの協奏曲の様式からの着想でしょうか。(解説/三上明子)ニュース
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