解説
フランセは10歳の時に伝説的な作曲の名教師、ナディア・ブーランジェに個人的に師事し、14歳でパリ音楽院ピアノ科入学という早熟ぶりを見せ、早くに自身の作曲技法を身に付け、終生、そのスタイルを守り続けました。ピアニストとしての腕も大したもので、24歳の時大成功を収めた 「ピアノ協奏曲」 の初演も自演によって行われました。彼は、フランスの作曲家でありながら、20歳の若さからドイツのショット社と契約を結び多数の作品が出版されています。ドイツでも受け入れられるところにもフランセの不思議さがあります。12音技法には見向きもせず、古典的な形式の中で音の高度な戯れに興じる姿勢を貫いた人でした。「フルート協奏曲」 は1967年にランパルのために作曲。1曲を通して切れ目なしに演奏されますが、大きく4つの部分からなり、長いカデンツァ付きで24分程かかる大作。オーケストラ・パートは、細密化した室内楽のような趣きで、ピアノ伴奏譜の五線譜が多い所で5段にもなる音の複雑さですが、ソロ・パートをひき立てつつ、音が濁らない耳の良さは凄い(伴奏はたぶん1人ではまかないきれない音の量)。フルート・パートもごまかしのきかない饒舌が必要です。(解説/三上明子)ニュース
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