解説
ドイツの作曲家、ゲンツマーは90代になっても精力的に作曲を続け、2007年に98歳の生涯を閉じました。ブレーメンの近くのブルーメンタールに生まれた彼は、ベルリンでヒンデミットに師事し、大きな影響を受けました。第二次世界大戦中は、クラリネット奏者として軍務についた後、ピアニストの才能を見出されて、慰問コンサートのピアニストとして過ごしました。戦後は、フライブルク音楽大学とミュンヘン音楽大学で教え、数多くの作品を書き続けました。「フルート・ソナタ 第2番」は1945年作曲。第1楽章Allegro moderato、手堅くまとめられた楽章。抒情的なフルートの主題を運ぶピアノ・パートのリズムの扱いなど、随所にヒンデミットのフルート・ソナタの手法が思い起こされます。第2楽章Scherzo、機敏な対位法的な追いかけが、整然と進みます。中間部は回想するようなフルートの旋律が織り込まれた美しい音楽。第3楽章Introduktion und Finale、緩徐楽章の役目を果たすゆっくりした導入の部分を経て、フィナーレはLebhaft(生き生きと)と指示され、精緻な書法で仕上げられています。演奏される機会が少ないので、もっと見直されてもよい作品でしょう。ニュース
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