解説
単一楽章で現代特殊奏法を駆使して書かれた、東南アジア系の民族色豊かな四重奏曲です。Ragaはインド音楽の旋法を指し、またSaatはインドで使われるヒンディー語で「7」を意味し、この曲では「7拍子(4+3)」を指します。基本的な楽句単位は8小節で、それを倍にした16小節、また4小節を加えた12小節の変則的な楽句でリズム変化を与え17種の変奏を展開します。尺八の「むらいき」のような、強烈な息音cha, cha, chaの発音でタンギングをして、次の2つのパターンを終始一貫して持続します。基本的に3番フルートは毎小節に[7/8 g. g. g. g + d. d. d]を、4番フルートは毎4小節単位7拍子の各小節に、不規則な5音を組み込む[7/8=[d. d. d. d. d] + [e. e. e. e. e] + [c. c. c. c. c] + [e. e. e. e. f]]がオスティナート・リズムを刻みます。以上をバックに、躍動する[g-d]音の跳躍音程パターンが小刻みに持続し、それにg-mollの主和音と属七和音で旋律線、音階、分散和音で変奏展開します。D.チャークはカナダで活躍しているフルーティスト兼作曲家で、多彩な作品を発表しています。(解説/佐野悦郎)ニュース
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