解説
S.カーク=エラートはドイツの理論家、作曲家、オルガニストです。管楽器において、彼はオーボエやクラリネットなどの楽曲から作曲し始め、第一次世界大戦の際に陸軍の軍楽隊勤務(1915)となり、ここで管楽器の色彩を再認識し、それ以降フルート作品(1917-19)が生まれるようになりました。この原曲は1902年に作曲された「木管三重奏曲(Ob. Cl. Eh.)ニ短調 作品49」で、その原調「ニ短調」が楽譜のタイトルに残っていますが、フルート三重奏版は実際にはイ短調に移調されています。原曲に忠実に「組曲形式」の4つの舞曲とフーガから構成されています。第1楽章「序奏」4/4 [a] は緩やかな悲しい半音階的旋律が幾重にも重なり合い、近代的な響きを生み出します。第2楽章「二重フーガ」3/8 [a] は情熱的なフーガ主題が幾重にも重なり、バッハを感じさせる対位法的な流れを構築します。第3楽章「サラバンド」3/8 [F] は付点音符の哀歌が密集して綾をなし、重苦しい響きが漂います。第4楽章「リゴードンとミュゼット」2/2 [a] は三部形式で書かれ、活発に躍動するリゴードン舞曲に、田舎のミュゼット舞曲が柔らかに対比します。 (解説/佐野悦郎)ニュース
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