解説
ジュゼッペ・ラッボーニ(1800-1856)はミラノ・スカラ座の首席フルート奏者として1826年から56年までの30年間活躍しました。残された作品から、彼がフルート・ヴィルトゥオーソであり、同時代の作曲家の特にオペラから霊感を受けていたことがうかがえます。「フルートとピアノのためのソナタ」は、ラッボーニによって残された無伴奏のソナタに、ピアニストのロジャー・ヴィニョールズが伴奏を新たに付け加えた楽譜で、ロンドンの王立音楽院名誉教授のポール・エドモンド=デイヴィスによって編集されました。1番から12番までが含まれる第1巻は、2003年に出版されています。2分弱から4分ほどの短い単一楽章のソナタ集です。ヴィニョールズは、ラッボーニの生きた時代の、特にロッシーニ、ドニゼッティ、ベッリーニのベルカント様式を伴奏部分の参考にしたと述べています。またシューベルトの歌曲風に響く箇所も意識したとも述べています。全体的に明るく華やかな曲調が多いですが、特に9番以降は情感溢れる色調となります。伴奏の演出が加わることによって、さらに魅力的な響きが得られると思います。(解説/諸田大輔)ニュース
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