解説
ドヴィエンヌのフルート二重奏曲は18セットの108曲と他の作品も加えて147曲ほどあるとされています。それらの大半は学習者用ですが、作品番号の80番台にはいくつか芸術的に優れた技巧的演奏会用作品があります。この3曲セットの「協奏的二重奏曲 作品81」[e/Es/a] もその一つです。彼の円熟期の素晴らしい作品で、モーツァルトの音楽を感じさせるほどに優美です。当時Johann August Böhmeによりハンブルクで出版されました。この第3番は緩・急の2楽章構成のロマンを感じさせる二重奏曲です。第1楽章 Largo 4/4 [a] は3つの部分で構成されたラルゴ・カンタービレで、悲壮感溢れる旋律は美しく、中間では一瞬、同主題が転調 [C] して明るく照らされますが、すぐに悲しみの奥 [d] に引き込まれます。後半は再び主調 [a] に戻り、哀歌を奏でます。第2楽章 3/4 [a] Allegro assai ではスケルツォ(メヌエット)風の大胆な分散和音主題が、8分音符の伴奏音形の流れに添って前半、後半共に仲良く躍動し、踊り続けます。 (解説/佐野悦郎)ニュース
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