解説
福士則夫は1945年東京生まれです。東京藝術大学大学院を修了した後、1969年に作曲グループ「白浪」を結成し、3回の自主公演を行い72年に文化庁芸術祭優秀賞を受賞しました。73年よりフランス政府の給費留学生として渡仏。当地でO.メシアンに師事し75年に帰国しています。77年には演奏家と作曲家によるアンサンブル「ヴァン・ドリアン」を結成し、83年に同団体として第1回中島健蔵音楽賞を受賞しています。91年のミュンヘン国際コンクール、92年のジュネーブ国際コンクールの打楽器部門の課題曲として「グラウンド(1976)」が指定されるなど、国際的な評価を得ています。独奏フルートのための「眠る島」は、2009年に小泉浩によって委嘱、初演され、2019年に全音楽譜出版社から刊行されました。ゆっくりとしたミステリアスな冒頭の後、フラッター音、キー・クラップス、息の音などを組み合わせながら展開され、終始ダイナミクスの強烈なコントラストが印象的です。日本語のタイトルは「眠る島」ですが、英語では「AGAINST」が付けられています。曲のイメージを練る際には、含みのあるタイトルの意味を加味すると良いかもしれません。(解説/諸田大輔)ニュース
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