解説
歌劇「タンクレディ」は、第一次十字軍遠征の戦いと愛を描いた物語です。ヴォルテール原作の悲劇「タンクレディ」を基に、台本をG.ロッシが著し、ロッシーニが歌劇を書き上げました。その第2幕「フィナーレ・セコンド」の最終曲から「Allegro(ポロネーズ風)」 [D] を抜粋編曲(移調)し、テュルーが「ポロネーズ」 [G] と名付けた作品です。ポロネーズ特有のリズムが随所に現れ、軽快な伴奏音形に乗って爽やかな旋律が重なり合います。歌劇の総譜と照らし合わせると、まず第1フルートの旋律はアメナイーデが歌う「この甘味なときめきで私は感じる、心が輝いているのを!」で始まり、第2フルートの旋律はアルジーリオが「この魂は胸の中で喜びに満ちている」と、後を追い歌います。次に主役タンクレディが第2フルートで「私はとても満ち足りた気持ちだ」と歌い、最後は全員合唱で「喜びと幸せ」を幾度も叫び、幕を降ろします。ちなみに、テュルーはロッシーニ(1792-1868)とほぼ同世代に活躍したパリ音楽院のフルート教授、作曲家です。フルート界では14曲の「グラン・ソロ」で知られていますが、この編成(2Fl.Pf.)のような貴重な重奏曲も数曲書き残しています。(解説:佐野悦郎)ニュース
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