解説
F.A. ホフマイスターはオーストリアで活躍した楽譜出版業者、作曲家、フルーティストです。膨大な作品を書き残したことから近年、整理のためOP.番号の他に主題目録番号 [CTH] が付けられます。この二重協奏曲は、古典派協奏曲様式の3楽章で構成されています。第1楽章はソナタ形式で書かれ、第1主題 [D] は力強く漸進するユニゾン楽句に挟まれて優美な旋律が舞い踊るように歌います。第2主題 [A] は跳躍する付点音符で躍動します。展開部、再現部では両主題が共に分散和音で変奏され技巧的楽句が乱舞します。第2楽章 [G] は前古典派の名残がある二部形式風に書かれ、下行平行3度進行の音階的伴奏上に全音符の分散和音旋律が、陽が昇るように厳かに浮遊します。後半 [D] は更に繊細で華やかな二重奏で彩りを変化させます。第3楽章は典型的なロンド形式 [D] で書かれ、メヌエット風ロンド主題は典雅に模倣され美しい響きで踊ります。前半の挿入楽句 [D] は3連符で踊り、後半の挿入楽句 [d] は嘆きのメヌエットで色彩を変化させます。最後のロンド主題は大跳躍分散和音と無窮動的音階及び分散和音の技巧的変奏曲となります。全休止を経てコーダは急速なメヌエット回帰で終演します。(解説/佐野悦郎)ニュース
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