解説
大空に飛翔する鳥たちの様子を描写した美しい詩曲で、次の部分で構成されます。「前奏」Evocational Adagio 2/4 は夜明けの朝靄を喚起するピアノの低音が響く中、遠くから鳥が鳴き始めます。次に、2本のフルートによる「早朝の鳥のさえずり」が響き、徐々にリズミカルに美しく歌うようになります。「con energia Like a siren」では日が昇ると木立がざわめき不吉な「風の戯れ」となり、ピアノの波形半音階的旋律が幾重にも重なり強烈で不穏なうねりと化します。「Lamentoso哀歌」では持続音を中心としたインターヴァルが、うごめく旋法旋律が重なり不幸を嘆き合い、五音音階のラヴェル風分散和音と東洋的旋律が美しく響きます。「Moderato」はピアノが弾く4度累積を含む分散和音の上昇気流上に、付点音符動機で鳥がさえずり乱舞するミニマル音楽になります。「con energia」で鳴き声は徐々にけたたましくなり、強烈なリズムが最高潮に達します。最後の「Bird eye’s view」はピアノの上昇気流旋律に乗り悠々と飛翔する「予言の鳥」の目から地上を俯瞰した情景で、神秘的な美しい旋律の綾が大空に輝きます。作曲家解説によると、「ウクライナでの残酷な戦争が始まり、砲撃で破壊された戦場周辺を、弧を描いて飛ぶ鳥を見ました。鳥は太古の昔から、この世の出来事を目撃してきた…」とあります。(解説/佐野悦郎)ニュース
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