解説
ペルゴレージと言えば、オペラ 「奥様女中」 や、教会音楽 「スターバト・マーテル」 で有名なイタリアの作曲家です。オペラ作家としてデビューしてから、わずか5年後、まだ26歳の若さで亡くなってしまったペルゴレージは、死後、ヨーロッパ中で異常な人気を博し各地で彼の作品が上演されました。天才の夭逝は、いつの世でも人々に特別な思いをもたらすのでしょう。その人気のおかげで、彼の作でないものまで彼の名が冠され、多くの偽作が生み出されました。この 「フルート協奏曲ト長調」 も、偽作と言われています。この作品は20世紀になってから自筆ではない手稿が発見され、出版されました。当時のフルート奏者の作ではないかと考えられているようです。曲の生まれた経緯はともかく、この曲のもっているたたずまいには美しいものがあります。第1楽章の転調部分の彫琢を見て下さい。第2楽章は、均衡を保ちながら内面に触れる表現が感じられます。第3楽章は統一感のあるリズミックな楽章。この曲には、往年のアンドレ・ジョネ氏の名録音がありますが、このほどCD化されました。(解説/三上明子)ニュース
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