解説
ルバンク社の重要なレパートリーとして昔から親しまれてきた、幻想曲風な2楽章構成で書かれ、ロマンティックで情熱的なオルガンの響きを模した傑作です。Adagio [Es] 3/8 はソナタ風の枠組みで書かれ、ロマンティックな主要主題が美しい和声の中に映え、副主題は刺繡音動機が模倣され、音階動機と色彩感豊かに舞い踊ります。中間部(展開)は両主題が綾をなして響きます。再現部で両主題が戻ります。Scherzo [g] 2/4 は複合三部形式風に書かれ、ギャロップ動機のスケルツォ主題が躍動し、中間部は民族舞曲主題が愛らしく踊ります。トリオ [C] は音階動機が模倣され大きなループ形旋律を構成し、転調を重ねていく音階旋律に徐々にギャロップ主題断片が絡み、最終的に全体が断片動機リズムの乱舞に包まれて、スケルツォ主題を呼び込みます。コーダはトリオの音階動機にトリル動機が絡みつき劇的に終わりを告げます。A.ウーテルは後期ロマン派に活躍したベルギーのブリュッセル生まれの作曲家、教会オルガニスト、ピアニストです。1871年から母校ブリュッセル王立音楽院のピアノ教授に任命されて、教会音楽を主として全てのジャンルの作品を書き残しています。(解説/佐野悦郎)ニュース
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