解説
ゲンツマーは、現代ドイツの重要な作曲家。長年、多くの作品を書き続けて2007年に98歳で亡くなりました。彼は、1928年から6年間、ベルリン音楽大学でヒンデミットに師事して大きな影響を受けました。彼自身の述懐によれば、正しく楽譜を読んで演奏することから学んだそうです。徹底的にリズムと音程にこだわるゲンツマーの姿勢はここで培われたのでしょう。第二次世界大戦中は、クラリネット奏者として軍務につきましたが、ピアノの才能も買われて慰問コンサートのピアニストとして過ごしました。戦後は、フライブルクとミュンヘンの音楽大学で作曲を教えつつ、文化政策の要職もこなしました。 「独奏フルートのためのソナタ」は1973年の作。緩―急―緩―急の4楽章からなります。古典的な書法で書かれ、非常に完成度の高い作品です。第1楽章Andante ゆったりと歌われる最初の小節の音形が装飾されつつ、発展していきます。フルートの音域を大きく使って、奥行きのある音楽。第2楽章Vivace amabile 7拍子の優雅なダンス風の楽章。第3楽章 Molto tranquillo e rubato 短いながらスケールの大きな表現が求められます。第4楽章 Presto 拍子の踏み分けに機敏さが要求されるスリリングな楽章。(解説/三上明子)ニュース
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