解説
ペトル・エベンはチェコを代表する作曲家の一人です。第二次世界大戦下の青春時代、南ボヘミア地方の古都チェスキー・クルムロフでピアノ、チェロ、オルガンを学んでいましたが、ユダヤ系だったために強制収容所に収容された苦難の時期がありました。終戦とともに解放され、プラハ・アカデミーでピアノと作曲を学び、精力的に作曲活動を始めました。オラトリオ、教会オペラ、オルガン協奏曲などが有名で、様々なジャンルの作品が残されています。また、彼はオルガンとピアノの即興演奏でも知られています。ヴァイオリンまたはフルートとピアノのための「ソナチナ・センプリチェ」(1955) は、カレル大学で音楽史を教え始めた20代半ばに書かれ、民族色の感じられる親しみやすい作品です。第1楽章 Allegro giusto 題名のセンプリチェそのままに、無邪気で屈託ない音楽が繰り広げられます。第2楽章 Moderato e cantabile ボヘミアの旋律が郷愁を誘う甘美な楽章。第3楽章 Vivace e accentato ロンド形式。活気のあるリズムが面白さを作り出しています。(解説/三上明子)ニュース
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