解説
ブリッチャルディはイタリア生まれのフルーティスト、作曲家。現在のフルートになくてはならないB♭の運指を楽にするための親指キーを創案したことでも有名です。ローマのサンタ・チェチリア音楽院で若くして教えるようになった後、ナポリの宮廷を経て、ロンドンを本拠地にして、ヨーロッパ、アメリカでコンサートを開くようになりました。晩年は、再びイタリアに戻り、フィレンツェを本拠として教育活動に打ち込みました。「ヴェニスの謝肉祭」は、同名の作品として、ジュナンやドゥメルスマンも作曲しています。おなじみのヴェニスの古い民謡 「わたしのママ (O Mamma Mia) 」 を変奏曲に仕立てて、速いパッセージの技巧や鮮やかなアーティキュレーションを聴衆に楽しませる趣向です。ブリッチャルディ版の「ヴェニスの謝肉祭」は、コンパクトな形で展開されているので、ジュナン版と違った喚起力を感じます。カール・フィッシャー版では、ブリッチャルディのオリジナルの楽譜と、イタリアのフルーティスト、ロレンツォによる改訂版の両方を出版していますが、ロレンツォ版では、間奏の入れ方、カデンツァの扱いで工夫が見られます。(解説/三上明子)ニュース
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