解説
ルイジ・ボッケリーニはイタリアのルッカで生まれた作曲家、チェリストです。天才的なチェリストとして才能に恵まれた彼は、ミラノにて弦楽四重奏団を結成したり、パリにてコンセール・スピリチュエルに出演し、大成功を収めた後、マドリッドに赴き、王侯ドン・ルイス王子の室内楽作曲家兼演奏家になりました。「フルート協奏曲 ニ長調」の作曲の時期は、マドリッドでドン・ルイス王子に仕えた頃と考えられています。この曲全体からは、王侯貴族のロココ的な雰囲気が醸し出されてくるようです。粗野だったり無細工だったりする部分が全くなく、典雅なギャラント様式が繰り広げられるあたり、ボッケリーニの職人芸が冴えているといえましょう。第1楽章は協奏ソナタに近い形式。音階を基本にして、実に流麗な音楽を紡ぎ出しています。第2楽章はフルートの美しいカンティレーナ。第3楽章は中間に短調の部分をはさんだロンドです。(この曲は現在ではF.X.ポコルニーの作とされています。)(解説/三上明子)ニュース
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