解説
クーラウは北ドイツに生まれ、ハンブルクで学んだ後、コペンハーゲンに移り、1813年デンマークの宮廷付作曲家となりました。ピアノを学ぶ人が必ず出会う 「ソナチネ」 の作曲者と同一人物です。オペラや劇音楽も作曲していたようですが、今日では忘れられてしまい、ピアノ作品のほか、フルートのための室内楽作品が多く残されています。この曲は、1820年、クーラウがウィーンに滞在中に作曲されました。その当時に出版された版がバイエルン国立図書館に保存されています。初期ロマン派的な作風のニ長調の序奏、ニ短調のアレグロ・アジタートに続き、再びニ長調の 「変奏を伴うアリエッタ」の、続けて奏される3楽章から成っており、かなり高度な表現を要求される内容となっています。「アリエッタ」 の主題は、モーツァルトの 「ドン・ジョヴァンニ」 からのツェルリーナのアリア 「ぶってよマゼット」 で、オペラを知る人には微笑みがもれる楽しい作品です。(解説/三上明子)ニュース
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