解説
ヴェネツィアの裕福な製紙業の家庭に生まれたアルビノーニの生涯については詳しくは分かっていません。 活動を始めた頃の1694年に出版されたトリオ・ソナタ集作品1には、自らを「愛好家」と記していました。しかし、1711年の出版の際に「ヴァイオリン音楽家」と名乗るようになったのは、父親が亡くなって音楽家として生計を立てるようになったためと考えられます。アルビノーニは16曲のオーボエ協奏曲(ソロ・オーボエのために8曲、2本のオーボエのために8曲)を残しましたが、フルートのためには自作作品としては残していません。この作品は、1715年にアムステルダムで出版された「12曲の5声部のためのコンチェルト集」の第4番として書かれた弦楽5声部のための協奏曲を、フルートと弦楽のために編曲したものと考えられます。急―緩―急の3楽章からなり、短めでコンパクトな仕上がり。終始、ソロ・パートが全体を引っ張っていく作りで、協奏曲の先駆けのかたちを示していると思います。 (解説/三上明子)ニュース
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