解説
ジャック・デュラン(1865-1928)はフランスの楽譜出版社の経営者です。オルガニストでもあった父オーギュスト(1830-1909)の出版社を引き継ぎ、DURAND出版社として、19世紀および20世紀のフランスの作曲家の作品を中心に楽譜の販売を行いました。ジャック・デュラン自身もパリ音楽院で学び、Th.デュボワに和声を、E.ギローに作曲を学んでいます。音楽院ではP.デュカスやC.ドビュッシーとの友情を育みました。多数の楽曲を残しただけでなく、他の作曲家の作品の編集や編纂にも積極的に取り組みました。著書に『初心者のための和声の基礎(1919)』などがあります。「ロマンス 作品7」は1887年から1888頃に書かれ、1888年3月に初演されています。ポール・タファネルに献呈されました。静的で平和な雰囲気を湛えた祈りのような作品です。ロマン的な旋律の提示後、ピウ・アニマートでやや回転するように展開しますが、2度のラレンタンドを挟み、冒頭の旋律へ戻ります。再現部は伴奏の形に変化が加えられています。演奏後には、さわやかな風が通り過ぎたような感覚が得られると思います。(解説/諸田大輔)ニュース
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