解説
レオナルド・ヴィンチという名前を見ると、有名なレオナルド・ダ・ヴィンチを思い浮べてしまいますが、残念ながら別人です。こちらのヴィンチはアレッサンドロ・スカルラッティの流れを継ぐバロック時代オペラの作曲家として知られています。このソナタニ長調は、ベル・カントの国イタリアならではの親しみやすい曲です。バロック時代のソナタをやってみたいという方にお勧めしたいと思います。全体は緩−急−緩−急の4楽章にパストレッラが付く、自由な構成をとっています。第1楽章 アダージョは大らかで明るいイタリア風の旋律を歌わせ、第2楽章 アレグロはきびきびとした運動性を生かした楽章になっています。第3楽章 ラルゴはイタリア風装飾を施すことによって、違った可能性が出てくるでしょう。(ただし、Reinhardt版には、J.Boppによる実施例が付されています)。第4楽章は再び軽快なプレスト。第5楽章は3拍子の可愛らしいパストラッレとなっています。バロック時代の曲を演奏する際には、はっきりとしたアーティキュレーションの吹き分けが大事です。また、バスの動きを聴きながら演奏する習慣を普段から身に付けましょう。アダージョの装飾法に関しては、クヴァンツ 「フルート奏法」 に豊富な例が挙げられています。一朝一夕で出来るものではないですが、興味があったら是非試みて下さい。(解説/三上明子)ニュース
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