解説
ゴーベールはフルーティスト、指揮者、作曲家として、どの分野でも当時一級の仕事をした人でした。フルートにおいては、パリ音楽院のタファネルのクラスを15歳で卒業して、1897年よりパリ・オペラ座のフルート奏者となりました。その後、指揮者としても頭角を現わし、パリ音楽院管弦楽団、オペラ座指揮者、監督など要職を務めました。フルート教育の面でもタファネルの後継者としてパリ音楽院で指導にあたり、有名な「タファネル=ゴーベール:完全なフルート奏法」を編纂しました。 「ソナチネ」(1937年出版)は、友人のフルーティスト、ジョルジュ・バレールに捧げられています(1905年、バレールがニューヨーク・フィルハーモニーの奏者になるためにパリを発った折にも「ロマンス」を捧げています)。2つの楽章からなり、第1楽章Allegroは「ファンタジアのように」と冒頭に記してあるように、自由な筆致が感じられます。親しみやすい主題が、バレールへの友情を感じさせます。第2楽章は、「シューマン讃」と記され、不思議な問いかけの旋律型が巧みに織り上げられています。3つの変奏曲とコーダ付きで快活に曲を閉じます。(解説/三上明子)ニュース
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