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この作品は、現代フルート音楽の代表的な作品のひとつと言える「冥」を作曲した福島和夫氏の出世作となった曲です。独学で作曲を始めた福島氏は、1953年にヴァイオリン独奏のための「途絶えない詩」を発表した後、12音技法を修得し、少年期を戦乱期に過ごした心情を投影した「鎮魂歌(レクイエム)(1956)」を作曲しました。12音技法と能の音楽が結実した「エカーグラ」は、1957年に軽井沢国際現代音楽祭における第1回作曲コンクールにおいて、林リリ子のアルト・フルート、高橋従子のピアノによって初演され、佳作入選となりました。この当時、アルト・フルートは日本に2本しかなかったそうで、困難な条件のもとで演奏されたことと想像されますが、記念碑的な名演となり、その録音を聴いたストラヴィンスキーに絶賛されました。「エカーグラ」とは「集中」の意。全体はLento rubato、Lento sostenuto、Moderatoの3つの部分から成り、Moderatoにおけるフルートのクライマックスと能を思わせる響きが、「冥」に通ずるものを感じさせます。(出版譜には、印刷ミスがあるので注意が必要です)(解説/三上明子)ニュース
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