解説
現代フルート作品の重要なレパートリーである「冥」の作曲者、福島和夫は独学で作曲を学びました。1953年、処女作ヴァイオリン独奏のための「途絶えない詩」を発表。創作の方向を模索するなかで、12音技法を取り入れ、日本音楽、特に「能」の音楽との融合をめざしました。「伽陀迦盧那」は、1959年、NHK国際放送からの委嘱により、2本のフルート、ピアノ、太鼓の編成のために作曲されました。福島の先見的な理解者であった評論家ヒューエル・タークィに捧げられています。1961年、来日したイタリアの名フルーティスト、ガッゼローニがこの作品に興味を持ち、フルートとピアノ版に改訂されたのが、今回取り上げた「第2ヴァージョン」です。緩―急―緩の3つの部分は、能の序破急に相当する構成となっています。能管の音色をフルートで表現しつつ、ピアノが太鼓の響きをリズムで打ちならす。福島の独創性が存分に発揮された作品です。 作曲者のことば『伽陀 迦盧那 サンスクリット語。伽陀は仏教音楽の声明の一種の名称であるが、私は、“詩”という意味で使っている。同じく迦盧那は、“悲”と訳される。仏教ではMaha-Karuma大悲 即ち諸仏三徳の一。私自身は、“他との関連”と解した。』ニュース
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