解説
松平頼則はほぼ独学で作曲を学び、常に新しい作風を追究しつつ、生涯にわたって変遷し続けた作曲家です。新古典主義の作品を書いていた初期を経て、転機となる作品「ピアノと管弦楽のための主題と変奏」が、1952年にザルツブルクで開かれた国際現代協会の音楽祭に入選。この作品は盤渉調の越天楽を主題として、12音技法から雅楽と現代的な手法を結合しています。この後も音列技法と雅楽を結びつける作風で国際的に知られる存在になりました。フルート独奏のための「ソマクシャ」は1961年に作曲され、同年、〈ワルシャワの秋〉でガッゼローニによって初演されました。作曲者の言葉によれば、『「蘇莫者」は古い伝説によった舞曲で、役の行者が峯で吹いた笛の音に、山神が感じて舞ったことをあらわしたものである』。雅楽の構造がいくつもの旋律の集合であるのと同様に、この作品では旋律型の断片を矢印の方向に従って演奏するが、指示に従って変奏を瞬時に判断する自由を演奏者に与えています。但し、同一の変奏は2度と選ぶことが出来ないという条件があります。雅楽「蘇莫者」の舞人が軽快なリズムに合わせて、面白おかしく舞っていく独特の感じが表されているのでしょうニュース
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