ムラマツ・フルート・レッスンセンター講師による
～おもひでの名曲～
Memories Of YouVol.16 河内 容子 先生
J.ドゥメルスマン
演奏会用ソロ 第6番 OP.82
大学2年生の前期試験の曲として演奏したのが、ドゥメルスマンの「演奏会用ソロ第6番」でした。ピアノの長い前奏を聴きながら今か今かと待ち「さぁ！いよいよフルートの番だ！」とワクワクして冒頭のソロを吹いたことをよく覚えています。導入部の華やかさ、郷愁を帯びた美しい旋律のナポリ、躍動感あふれるフィナーレ。若さゆえ、前のめりで吹き飛ばした記憶。どのフレーズもフルートの魅力が満載のこの曲を吹くのがとにかく楽しくて仕方がなかった、そんな思い出の曲です。
地方ののんびりとした音楽大学で、私は恩師である髙木直喜先生のクラスに入りました。今振り返ると当時の先生は35歳！？それはそれはエネルギッシュにレッスンしていただきました。ゆったりとした校風の中、髙木クラスは次から次へとエチュードを進め、難しい曲にチャレンジしコンクールを受ける。今では当たり前に行われていることが当時はめずらしく、周りの同級生から「大変そうだねぇ…」と言われつつも、そんな髙木クラスであることが誇らしく大学生活を送っていたことを覚えています。
髙木先生の門下合宿にて
先生のレッスンで特に印象に残っているのは「響きと音色は違うんだよ」「音色は綺麗かもしれないが響いていない」等、音についてのレッスンでした。響きと音色の違いもろくにわからない私になんとか伝えようと、先生は熱心にレッスンをしてくださいました。
とにかく夢中になってフルートを吹いていた大学時代、この曲を聴くたびにあの頃を思い出す、私にとってまさに青春の「おもひで」の1曲です。
KAWAUCHI YOKO河内 容子 先生
名古屋芸術大学音楽学部卒業。阿部房子、永長次郎、髙木直喜、峰岸壮一の各氏に師事。フリーランスのフルート奏者としてオーケストラなどで活動するとともに後進の指導にあたる。
WWFA認定コーチング・ベーシックコース、アドバンスコースを受講。
一宮市消防音楽隊嘱託演奏員、ムラマツ・フルート・レッスンセンター講師。
使用楽器：ムラマツ総14K SRモデル（C管）、ムラマツDSモデル（H管）
※プロフィールは、掲載時のものとなります。