解説
スペインの作曲家ロドリーゴは病気のために幼時に失明しましたが、バレンシアで学んだ後、パリでデュカスに作曲を学び、ファリャの知遇を得ます。スペイン内戦中は、フライブルグ、パリで過ごし、その間に書き上げたギターとオーケストラのための 「アランフェス協奏曲」 によりファリャ以後のスペインを代表する作曲家と認められるようになりました。「パストラル協奏曲」 は、ジェームズ・ゴールウェイの委嘱に応じて、1978年に作曲されました。ロドリーゴのスペイン民族音楽に根ざす語法とゴールウェイの高い集中力を伴った名技が結実した素晴らしい作品に仕上がっています。第1楽章は、冒頭からデタシェで駆けめぐる第1主題のフルートの16分音符の走句に対して、第2主題は田園風景を表して、ソナタ形式に準じています。第2楽章は、アランフェス協奏曲の第2楽章のように、コールアングレーが巧みに用いられています。中間部に晴れやかな部分が挟まれ、カデンツァに続きます。第3楽章は、再び活気を取り戻し、スペイン民謡風の舞曲をロンド主題として、色彩豊かにテンポを速めてコーダを迎えます。全曲を通して、高い技術と音楽性と持続力を問われるコンチェルトです。(解説/三上明子)ニュース
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