解説
ドホナーニは、ハンガリーのピアニスト、作曲家、指揮者、教育者として20世紀ハンガリー音楽文化の主要な開拓者のひとりです。彼は1900年までにリスト以降では最も偉大なハンガリーのピアニストとして、ヨーロッパ、アメリカで名声を確立しました。1915年、ブダペストに戻り、ハンガリー音楽界の大変革を行いましたが、ナチスの影響力が増大したことなどから、1945年、アメリカ、フロリダ州立大学に籍を置く作曲家になりました。1960年、ニューヨークで亡くなりましたが、母国ハンガリーでは1970年まで再評価の機は訪れなかったのです。 「アリア」と「パッサカリア」は、ドホナーニの死の半年程前に作曲された最晩年の作品です。アメリカの大学で催しがあった折に世話係をつとめた若いフルーティストから「ブラームスがフルートのためにソナタを残さなかったのは残念だ」と聞いたことが作曲のきっかけとなりました。フルートとピアノのための「アリア」は、まばゆいまでの転調を駆使したロマンティシズム溢れる作風です。「パッサカリア」は通常、バッソ・オスティナートに基づく変奏曲形式を指しますが、ここでは、ソロのフルートにその役目を託して、12音の音列を元に作られたテーマから、19の変奏曲とコーダを構成します。堂々たる作品に仕上がっています。(解説/三上明子)スタッフより
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