解説
クーラウはデンマークのロマン派初期を代表する作曲家、ピアニストの一人です。ドイツで生まれ、14歳から音楽を学び始め、いくつかの歌曲、器楽曲を出版しています。1810年、ナポレオン侵攻によってコペンハーゲンに移り、宮廷音楽家に任命されました。ピアニストとしてスカンジナビア地方で活躍し、1821年と1825年にウィーンを訪れ、ベートーヴェンと出合ったことは、彼にとって大きな事件だったと想像されます。作品はオペラから舞台作品、歌曲まで幅広く、特に、ピアノ曲とフルートのための作品が多いことで知られています。当時、人気のあったレパートリーを数多く出版して、生活費としていたのでしょう。 アイルランド民謡「庭の千草」は日本でも広く知られたうたなので、なじみ易い変奏曲です。マルセル・モイーズの「ゴールデン・エージ曲集」では、第1、第3変奏とフィナーレの一部をカットした版に編集されています。 当時のフルートを想定して、愛好家に吹き易いように、終始ト長調で書かれているので、単調になり易いのですが、テーマを始めとして、それぞれの変奏から音楽をくみ上げることができれば、とても演奏効果のある作品だと思います。------------------------------------------------------------------------(解説/三上明子)ニュース
関連サイト
注文ボタンのない商品につきましては、右上の「お問い合わせ」よりお願いします。