解説
J.ヨンゲン (1873-1953) は今世紀前半にベルギーにおいて最も知られた作曲家兼オルガニストです。彼はリエージュ生まれで、後に母校リエージュ音楽院、ブリュッセル王立音楽院の教授として活躍し多くの作品を残しました。この作品はワローニア地方 (リエージュ) を主要都市とするベルギー南部国境沿いワロン語地域)の古くから伝わる2つのノエルを題材にした パラフレーズ (主題を自由編曲した作品) です。曲は2楽章に分かれ、聖歌を挟み、それが祈りを込めて次々と展開されていきます。楽器編成は (3Fl.+ Alto.Fl. / Score & Parts / 中級) です。第2次世界大戦勃発の翌年1940年はナチス・ドイツ軍のベルギー侵攻の年であり、このワローニア地方ではレックス運動 (王政復古) が興りました。この曲はこの年のクリスマスのために12月の中旬に作曲されました。勝手な解釈をすれば、平和への願いを、このノエルに込めてミサを捧げ、またこの曲に託した事に相違ありません。翌年、益々戦闘激化、彼は同作品番号、同編成 (4Fl) にて、今度は怒りを込めて 『悲歌 (Elegie) 』 を・・・・・・! (解説/佐野悦郎)ニュース
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