解説
デンマークの寒村に12人兄弟の7番目として生まれたニールセンは、貧しいながらも大自然に囲まれて愛情溢れた幼年時代を過ごしました。音楽の才能を認められた彼は、14歳で軍楽隊に入隊し、後にコペンハーゲン王立音楽院に学び、指揮者、作曲家としての道を歩みました。6つの交響曲、3つの協奏曲は代表作と言えましょう。「幻想的小品」作品2は1889年、ニールセンが王室チャペル管弦楽団の第2ヴァイオリン奏者として入団する直前に書かれました。原曲はオーボエとピアノのために書かれたため、W.Hanaen版では短3度上に移調して出版されています。第1曲ロマンスは、歌曲を模した非常にデリケートな作品です。ため息や希望が交錯するメロディーに伴奏音形が工夫され、深みを与えています。第2曲ユーモレスクは、冒頭の4小節が後年のフルート協奏曲の冒頭とそっくりなのに驚かされます。村のダンスを思わせる音型、ユーモアとペーソスの含まれたパッセージはそのまま、30年以上後に作曲されたフルート協奏曲の中に登場してもおかしくない内容なので、作曲家固有の語法が、早いうちから確立されていたことを示していると言えましょう。(解説/三上明子)スタッフより
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