解説
この曲は、後期ロマン派の作曲家、リヒャルト・シュトラウスの少年の時期の作品です。シュトラウス自身、生前には若い頃の作品の出版や演奏を認めず、存在のみ知られていた作品ですが、近年になって出版の運びになりました。父親がミュンヘン宮廷歌劇場首席ホルン奏者であったシュトラウスは、4歳の時から規則正しいピアノのレッスンを受け、6歳でピアノ曲や歌曲を作曲しました。父親の保守的な傾向を受けて、ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェンに傾倒した幼少期でした。両親の意向で、一般的な教養を高めるため、1874~82年、ルートヴィヒ・ギムナジウムに進学したシュトラウスは、1877年、終生の友で後の作曲家、ルートヴィヒ・テュイレに出会いました。1897年、そのテュイレに宛てた手紙に、フルートの友人のために変奏曲を書いたと記しています。たぶん、学校の催しで演奏されたのでしょう。前年に父のために「ホルンのための序奏、主題と変奏曲」を作曲しているので、その延長線上に書かれた曲と言えましょう。G-durの序奏と主題、5つの変奏曲から成ります。後の大作曲家を想像しながら演奏すると、スケールの大きさの片鱗が感じられます。(解説/三上明子)ニュース
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