解説
近代フランスの作曲家イベールは「フルート協奏曲」「小品(Fl.solo)」や、「間奏曲(Fl.Hp.)」等その作品に親しむ機会の多い作曲家の一人です。特に『3つの小品』は、彼のユーモア溢れる愉快な音楽と巧みな楽器使用法が映えた色彩豊かな室内楽作品として我が国でも木管五重奏曲の重要なレパートリーとなっており、同時期(1930)に作曲された室内オーケストラのための「嬉遊曲」同様に既成概念や様式に囚われない自由奔放な精神で書かれています。第1楽章は力強いシンコペーションの主題を持つ序奏部から、軽快で躍動感漲る舞曲風の主要主題が幾度となく繰り返されます。第2楽章はフルートとクラリネットがポリフォニックに模倣する旋律の綾が美しく印象的に響きわたる二重奏が魅力です。第3楽章は短い序奏部がホルンにより奏され、それに続き軽妙なスケルンツァンド主題と中間部と最後コーダで踊られるクラリネット・ソロが奏でる「ワルツ」が印象的です。各楽器とも機能と特性を充分に発揮出来る傑作「五重奏曲」です。(解説/佐野悦郎)ニュース
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