解説
オネゲルは、フランス6人組のひとりとして知られていますが、ドイツ系スイス人の両親のもとに生まれ、フランスとスイスの国民性を合わせ持つ作曲家です。チューリヒとパリの音楽院で学び、バッハからヴァーグナー、R.シュトラウスなどドイツの作曲家とフォーレ、ドビュッシーなどフランス印象主義、さらにはストラヴィンスキー、シェーンベルクにも影響を受けました。オペラ、オラトリオ、カンタータなど大規模な声楽曲、バレー音楽、管弦楽曲、交響曲、室内楽曲など多くの作品が残されています。フルートのための作品としては、1919年に作曲された「牝山羊の踊り」が有名ですが、1953年に発表されたフルートとピアノのための「ロマンス」も捨て難い魅力を放っています。2分半ほどの小品ですが、淡々とした旋律に添えられたオネゲルならではの渋みのある和声が、生粋のフランス人作曲家たちと一線を画す曲想をつくり出しています。劇的オラトリオ「火刑台上のジャンヌ・ダルク」、第3交響曲「典礼」など重厚な作品を書いた作曲家のたどり着いた境地の作と言えましょう。(解説/三上明子)ニュース
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