解説
S.バーバーはアメリカで最も知られている20世紀を代表する作曲家の一人です。彼の作品は多岐にわたり、全てのジャンルにおいて膨大な作品を残しています。この木管五重奏曲は夏の自然情景を叙情的に、また現代的な響きと色彩で描かれた田園詩です。この広く世界に親しまれている傑作は、デトロイト室内音楽協会の委嘱作品(1955)で、当時活躍していたフルーティストのJ.ペレライト氏等の木管五重奏団により初演(1956)されました。単一楽章で構成され、序奏部は累積4度和音が連鎖する中、一筋の半音階が形成される特徴的な楽句が印象的で、小鳥達が飛び交い、さえずる様子を描写しています。続いて抒情的な哀愁を帯びた牧歌主題(cantando)が幾度となく現れ、ロンド形式風の枠組みを形作ります。最初の挿入楽句は生命感に溢れ、小刻みに躍動するリズムの主題(Lively)が登場します。次の挿入楽句は民謡的な舞踏主題が組み込まれ、各楽器がリレーします。後半のクライマックスでは各主題が重なり合い、変奏、変容されます。(解説/佐野悦郎)ニュース
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