解説
この楽譜は特殊管を含むフルート四重奏用に編曲され、調性は異なるものの、管弦楽版と同様に原曲の1、3、5、4番から構成されています。I.前奏曲は二部形式で書かれ、分散和音、音階が細波のように揺れ動く中に、流麗なロココ風装飾音と旋律が心地よく響きます。II.フォルラーヌは北イタリアが起源の舞曲で、舟唄のようにシチリアーノ風の付点音符が特徴で、躍動的に躍ります。III.メヌエットは自由な枠組で書かれ、優美な装飾音が施された美しい旋律の主題は慰めを与えてくれます。中間部では悲しみの舞が踊られ、また再現主題が繰り返されます。IV.リゴドンは三部形式で書かれ、南プロヴァンスを起源とする舞曲の軽快で躍動的なリズムが打ち鳴らされ、中間部では田舎の踊りが舞われます。 大クープランの様式を模倣した擬古典主義の作品で、原曲は6曲の舞曲から成るピアノ組曲です。“Le tombeau”とは墓碑の意味で、死者への思い出のために書かれた作品です。各舞曲には第一次世界大戦で戦没したラヴェルの友人を悼む戦没者名が記載されています。(解説/佐野悦郎)スタッフより
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